ドラゴンマイクログリッド

はじめに

竜王町の再生可能エネルギーの開発にかかわるさまざまな問題をとりあげ検討してしてきました。個々に抱える課題を踏まえて、ここでは、太陽光発電とバイオマス発電、揚水発電、電力平滑化システムを組み合わせたドラゴンマイクログリッドを開発促進計画として考案いたしました。場所は竜王町小口です。竜王町が目指す地産地消型カーボンニュートラルへの一歩となることをねがっています。 

このプロジェクトにはつぎのような特質があり実効性の高いと評価されます。

  • 小さなエリア(竜王町小口)に変動の激しい太陽光発電と蓄電機能をもつ揚水発電、電力平滑化オペレーションを集中管理可能で、送電などが簡略化され効率的ある。
  • 多数の太陽光発電適地、適切な高低差のある数個の池、業務、家庭の消費地が近く存在する。竜王町役場と小口は直線距離で**kmである。開発が進行中のバイオガス発電所とは+**kmである。
  • この地域にはすでに地表型、屋根型が稼働している。環境保全に関する問題は発生していない。屋根型、地表型、駐車場型太陽光発電の適地が多数存在する。揚水発電の導管は国道沿いに敷設されるので環境破壊は起こらないが、詳細な生態系への影響は調査が必要である。
  • 高圧**の余力、
  • このプロジェクトは防災に貢献します。

I ドラゴンエナジーと電力小売り

I-1 ドラゴンエナジー

地産地消を実現するためには電力平滑化機能をそなえた小売り電力事業者は不可欠になります。そこで、竜王町からの自然エネルギーのスムーズな流れをつくるために、 “ドラゴンエナジー” となづける小売り電力を心臓部にもち、地産地消の町をつくりますと電気の流は概略、次のようになります。まず、供給電力は太陽光、バイオなど自然エネルギーからの電力をドラゴンエナジーが購入します。ここで混合水発電など蓄電器のをそなえたに装置により、安定した良質の電気にして消費者に届けます。この間のオペレーションは複雑で、高度な技術を必要しますので経験豊かな企業との連携が必要になります。また想定外の変動に対しては地域電力(ここでは関電)の力をかりることになります。消費者(自治体、家庭、産業、業務)とはあらたに契約を必要になりますが、既存の価格に比べると安価になります。というのは、このシステムは小規模、コンパクトで、ムダが省かれているからです。さらに、この新しいシステムは災害時にも活用できることです。

I-2 候補地の分布

自然地理的な視点から竜王町における再生可能エネルギー開発促進ゾーンを設定しました。しかし、個々の候補地の選定には、文化財の保護、生態系の保全、景観保全などローカルな立場から適地かどうかの検討が必要です。さらに、工学的、経済的条件をみたして初めて建設可能となります。今日では画像解析がいちじるしく進展してきましたので、竜王町の再生可能エネルギー開発促進ゾーンについて画像解析により、候補地と発電タイプをしらべました。下図ように、かなりの数の太陽光発電あるいはバイオマス発電の候補地があります。

善光寺川(竜王ゴルフ場)揚水発電所

上池

善光寺川(竜王ゴルフ場)を上部貯水池とし 八重谷沈砂池(竜王町薬師1178-673他)を取水池として電力余剰時に揚水、電力不足時に放水発電する、蓄電型揚水発電所を想定し、損益計算をする。

上部貯水池の容量 72,000❓m3  面積 16,000m2  深さ4.5❓mと推定する。
使用可能水量を48,000 m3 (高低差 3m 使用率 67%)と仮定
有効落差 48.5 (50) m (Google Earth 170~174.5m 国土地理院 110~120ー160~170m)

下池

八重谷沈砂池

I-3 混合水発電の発電時間と揚水時間

太陽光発電では、通常昼間帯(8~16時)に発生した余剰電力で揚水し、需要の多い時間帯、夕方と朝方に発電機を逆転させ電力を供給します。揚水と発電の切り替えはきわめて短時間で可能で、電気エネルギーと位置のエネルギー変換効率は高くコスト低減に貢献しています。化学蓄電池とは競合関係になりますが地産地消の利点を生かし、ローカルに運営すれば採算はとれるものとかんがえられます。

II 竜王町のロードマップ

II-1 再生可能エネルギーと省エネルギー

竜王町の温暖化ガス排出量の削減目標は、町の特性を配慮して総CO2排出量から製造業CO2排出量を除いた量を対象に、政府の公約にしたがい、2030年には、 2013年(基準年)の46%、62.8×106 kWhを、2050年には100%、137×106 kWhを削減することにしました。今日の生活はエネルギー消費によってはじめて動きだすように仕組まれており、この流れが乱れるとたちまち混乱します。省エネルギーは快適で便利な生活を根本的にかえないかぎり限界があります。竜王町の2013~2020間の温暖化ガス削減の努力は大きく、削減量は16.6×106 kWhとなっています。そこで、すでに述べましたように、詳しい資料が見当たりませんが、2030年までの省エネルギー量は10%(12.0×106 kWh) 、2050年に20%(24.0×106 kWh)としました。

また、2020年の太陽光発電量が25.6×106 kWh記録されています。これは自家消費または地域電力に送られたとかんがえられますので、竜王町の再生エネルギーになります。このように考えますと、竜王町が新規に必要とする再生可能エネルギー量は8.6×106kWhになります。2050年では70.5×106kWhと大きく膨らみます。

II-2 竜王町モデルで可能な発電量

竜王町モデルで可能な発電量の見積はどれくらいになるか。言うまでもなく、この作業は不確定要素が多く、困難な作業です。しかし、避けられない事項ですので、つぎのように考えてしてみました。2023年竜王町小口にメガソーラー、0.5億kWh(0.5×106kWh)/y 、面積33m×100mが建設されています。この地域によくみられる屋根型のメガソーラーですので、この発電所を一つの目安(1単位)としてこの規模の発電所いくつ必要か、いくつできるかを推察しました。たとえば、新規に必要とする再生可能エネルギー量では、2030年に17ユニット(8.6×106kWh)、2050年で141単位(70.5×106kWh)になります。

太陽光発電促進ゾーンに工業団地、大型ショピングモール、新しい住宅街などそれぞれに適合した地表型、屋根型、営農型の太陽光発電の候補地をあげましたが、それぞれに2ユニットづつ設置し、バイオマス発電と合わせますと48になります。したがって、2030年の17ユニットには十分な量ですが、2050年の141ユニットには3倍以上です。これは厳しい数字です。

竜王町八重谷沈砂池水上発電

余剰電力(アルテック)400,000kWh 
水上太陽光発電
◆太陽電池容量 532.8 kW×2
◆年間予想発電量 585,149 kWh×2

 

 

商業エリア (三井アウトレットパーク滋賀竜王周辺)

 

 

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